青い残光【完】
それからも、わたしは試合に足を運ぶことはやめなかった。
複雑な思いはあったものの……わたしは、純粋な気持ちで「彼のプレー」が好きだった。
ゴール裏で応援している時だけは、「彼のプレー」を鼓舞しながら、サッカーを楽しめるわたしでいられた。
彼の人間性も…好きだけれど。
最初に好きになったのはサッカーを楽しんでいる彼だったから……。
彼のために、彼の所属するチームのために、体全体を使って応援することは全く苦にはならなかった。
勝ったら楽しい。
負けたら苦しい。
応援している側の心情はそんな単純なものだけれど……
プロサッカー選手として、目の前の試合を戦う彼の「一番近く」にいられることは、やっぱり嬉しかった。
試合に行くにつれ、男性が多いものの男女問わずサポーター友達が出来た。
わたしが梅さんのファンだと知ると、皆ちょこちょこと練習場での彼の様子などをメールなどで教えてくれていた。
怖い人の集まりだと思っていたゴール裏で、わたしの居場所が出来たのもとても嬉しかった。