青い残光【完】
翌年の春からは、誰もが待ち望んだ1部リーグだった。
同じプロサッカーでも、1部リーグか2部リーグかでメディアの取り上げ方などに大きな違いがある。
1部リーグだと、ニュースのスポーツコーナーでの特集などもあるし、より情報収集がやりやすい。
彼が社会人リーグだった頃の情報収集の大変さを考えると、天と地くらいの差がある。
わたしはそれだけでも本当にありがたかった。
そして1部リーグの方が、やはり有名な選手が多い。
今年は、相手チーム選手を見るために試合にやってくる人もいるだろう。
今年の彼のチームは、少し補強選手が加入したものの、ほとんどメンバーが去年と変わらなかった。
もともとの選手が、1部リーグ経験者が少なく、経験不足による降格の危険性もあると不安視されていたけれど……。
どうやら資金面で苦労しているとの噂も流れた。
結論から言うと、補強したかったが資金面もありあまり出来なかった…というのが実情らしい。
それでも、チームや選手、サポーターは前向きだった。
今までどんな時も前に向かって、目の前の試合に戦ってきた自分たちのサッカーに自信を持っていた。
わたしもチームや選手全員を信じていたし、梅さんがやってくれると信じていた。
「負けるかもしれない」なんて微塵も考えていなくて、新しい見える世界のもの全てにワクワクしていた。
だけれど……その自信は2ヶ月で揺らぐものとなった。