青い残光【完】
今まで声を荒げることをせず、ひたすら応援し続けていたサポーターも、試合後には選手にヤジや罵声を浴びせるようになった。
それは期待、絶望、叱咤激励……
たくさんのものが入り混じっていた。
90分間、選手と同じように動き飛び跳ね、声を枯らして応援している分…チームへの愛が強ければ強いほど、怒りは凄まじかった。
彼はそんな怒号を聞き、毎試合、目を伏せていた。
そして選手全員で観客に力なく会釈をして、ロッカールームに戻っていくのが日常化していた。
選手が必死なのは分かっていた。
せっかく上り詰めた舞台を簡単に諦めたくないのだって。
それでも……「プロ」というものは結果が全て。
もう既に、優しい言葉ばかりかければ良い時期ではない。
自分たちが浴びせた罵声の影響もあるとは言え、うなだれる選手を、サポーターの誰もが悲しそうに見ていた。
勝ちが一番の薬だと誰もが分かっていたけれど、サポーターに出来ることなんて……声援を送ることしかなかった。
皆が、そんな自分の無力さを嘆き……それでも前向きに応援を頑張ることしか見出せなかった。
ただ、「勝ちたい」だけなのに、それはとてつもなく難しかった。