青い残光【完】
翔さんと過ごす時間はとても楽しく、優しくて……このまま、もう少し時間をかけていけば…
梅さんのことを忘れられる。
翔さんだけを、好きになれる。
そう思えるようになったのは、翔さんと付き合いだして1年とちょっとの時間が過ぎた頃だった。
翔さんは変わらず優しくて、かっこ良くて。
いつもわたしのことを変わらずリードしてくれた。
怒ることもなく、仕事をプライベートに持ち込むこともない。
とても素晴らしく出来た、素敵な人だった。
そんな翔さんに、わたしがしてあげられることは多くなくて……申し訳ないと思っていた。
だけれど翔さんは、いつも優しかった。
そんなわたしの心境と共に、彼との関係は些細な変化を起こしていて…わたしはまだそれに気付いてはいなかった。
わたしがそれに気付いたのはそれから2ヶ月後。
梅さんが、再び負傷した試合のことだった。