青い残光【完】











彼が、練習場に現れるようになったのは…シーズンが始まった頃だった。




予定よりも少し時間がかかっていたけれど…彼は皆と同じ練習場のピッチで練習を始めた。







しばらくのうちは別メニューでコンディションを整える程度。



そして調子が出てきて、体に問題がなければ全体練習と合流…という流れだった。








わたしは、彼が別メニューを始めた頃…練習場に行った。





水色のフェンス越しに、彼の姿を見つめる。
足の違和感を確かめるように、ゆっくりと練習していた。








普段は最後まで居残り練習をしている彼が、練習終了とともにロッカールームへと戻っていった。


ロッカールームでは、入念にからだのケアをしているのかなかなか帰路にはつかなかった。









わたしは、再び練習場のピッチへと視線を向けた。

彼はピッチにいないものの、今年入団した若手選手が2人……まだ居残って練習をしている。








一生懸命、練習をする様子に…わたしは昔の彼を思い出した。









どれくらいの間、若手の子を見ていたのだろう……?











「……あれ、……おっしー?」















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