青い残光【完】
この声を、わたしが聞き間違えるはずはなかった。
胸が、ドキッと高鳴る。
わたしは声のした方向に目を向ける。
「……梅さん、」
そこには、帰る準備を済ました私服の彼がいた。
両足には氷の入ったビニールを足に巻きつけていた。
……それが何とも痛々しく見える。
彼は、わたしのことを覚えていた。
それが…本当にびっくりした。
「久しぶり。また練習見に来てくれたんだ」
「あ…はい。」
1年くらいは見に来てないんだけどね、と言わないけれどわたしは心の中で思う。
わたしは、気になっていたことを切り出した。