青い残光【完】
出会いは8年前。
わたしは中学3年生だった。
友達に誘われて、出かけた先で見かけた彼。
ゴールデンウィークで人がざわめく、近所のサッカー場だった。
そこでは高校生のサッカー大会が行われていた。
友達はお目当ての、サッカー部の先輩を見に行きたかったらしい。
当時のわたしはサッカーの知識もなかった。
金網越しに、ボールの往来を見ているだけで…特に楽しくはなかった。
白いユニフォームを着た選手と、青いユニフォームを着た選手が、声をかけ合いながらピッチを走りまわっている。
最初はつまんないなーと思っていたけれど、まったく知識がない分、わたしはプレーや戦術などとは違うところに目がいっていた。
それは、サッカーをしている人の表情。
苦しそうにプレーしている人もいれば、楽しそうにプレーしている人もいた。
その中で、わたしは一人の男の人に目を奪われた。