青い残光【完】









社会人リーグの応援に行く、と言ったものの…結局、わたしは部活三昧で全く行けていない。





…はぁ、一回くらいは梅さんの雄姿を行きたいのになぁ…。





そう思うものの、ゴールデンウィークに恒例の練習試合大会を控えている部員たちのやる気は底なしだった。








何とか彼の情報だけでも……と思った時に差し掛かった壁。
それは情報の少なさ。
わたしはとても歯がゆく感じた。




社会人リーグというのはアマチュアだからかメディアへの露出が少なく、わたしは彼の在籍するサッカー部のホームページで情報を得ていた。





「選手一覧」に彼の写真や誕生日等の簡単なプロフィールが載っているのを見つけた時は本当に嬉しかった。



少しはにかんだ、恥ずかしそうな真顔。
きっと、恥ずかしくて笑顔になれなかったのだろう…。
そう思うと微笑ましかった。







背番号は30番。
それが、彼が職業としてサッカーを始めた最初の背番号だった。








わたしは何度も何度もそのウェブページを開いた。
疲れた時、辛い時…。


写真の彼は何度もわたしを力付けてくれた。







遠くなった距離を、寂しく悲しく思う自分と………
彼の夢への前進を喜ぶ自分の狭間で、わたしは彷徨っていた。











< 76 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop