青い残光【完】
わたしも、体験入部に行ってみようかと思ったけれど……そんなことをするまでもなく決まっているじゃないかと思い改まった。
だけど1日だけ、体験入部活動をしている様子を、校庭のグラウンドを遠巻きに見てみることにした。
ワーワーと活気があり、かなり練習は白熱している。
そんな中、わたしは彼を探した。
「……!」
あの時の"彼"がいた。
顔立ち、髪型も全く変わっていなかったから、すぐ分かった。
あの時の、ドキドキした気持ちが一気によみがえるのを実感した。
それだけで、十分だった。
体験入部が始まりだすと、決意が決まった人の入部届けも顧問の先生は受け取ってくれる。
わたしは入部届けを持って、職員室へ向かった。
その足取りに、ためらいはなかった。
「失礼します。」
ガラガラと、職員室の扉が音を立てた。
その音を聞いて、職員室にいた先生が全員わたしにチラリと目を向けた。
わたしは、一人の先生へと向かった。