青い残光【完】
きらりさんは自分が見に行った試合の内容や、えりかさんからの情報をわたしにメールでよく教えてくれていた。
「梅田くんの出場時間が長くなった」とか。
「慣れないポジションでもフィット出来てきた」…とか。
えりかさんからの情報がある、というのは正直複雑だった。
それは、二人がまだ別れていないことを表している。
だけれど、そういった情報は純粋にとてもありがたかった。
本当は情報じゃなくて、早く、彼を一目見たかったけれど……。
そして、わたしの高校3年生の夏……。
彼らのインターハイの終わりとともに、わたしはサッカー部を去ることにした。
共に頑張ってきた同級生の試合は、試合終了のホイッスルが響くまで信じたくなかった。
それでも、試合が終わって膝をつき、肩を震わせる皆を見て…わたしも涙が溢れた。
次の日、先に引退する3年生と共に、わたしも挨拶をさせてもらった。
振り返れば沢山の思い出が、輝いているように感じる……。
彼を追いかけて入っただけのマネージャー。
今ではわたしにとって特別な意味を持っている。
それがただただ嬉しくて、切なかった。