青い残光【完】
マネージャー引退後、わたしには受験勉強に集中するための勉強三昧の毎日が待っていた。
憂鬱だったけれど…今までほとんど勉強出来ていないから仕方ない。
そう割り切った。
だけれど…忙しくなってしまう前に……もう一度彼を見たい。
そう思い、わたしは試合に足を運んだ。
「………!」
わたしは、驚きに息を飲んだ。
あの時の彼とは、別人がピッチの中では躍動していた。
彼が一番やりやすいとしていたポジションではプレー出来ていないものの……彼は役割をしっかりと果たしていた。
ひたむきで、常に全力で、何があっても絶対に諦めない。
それを背中で語る、負けず嫌いな彼らしいプレーだった。
そして、その表情には笑顔が見られた。
…………良かった。
わたしはただ、そう思った。
彼はうまくやれている、それが分かっただけで…わたしは頑張ろうと思えた。
それを励みに、わたしは必死に勉強した。頑張れたのは、彼のおかげの他なかった。