青い残光【完】
秋、冬………
季節は巡り、またあの季節がやってきた。
別れの春。
出会いの春。
わたしは西高を卒業し、無事大学に進学した。
家から1時間。
大学は、西高に通っていた時間とあまり変わらないくらいの距離だった。
それと…もう一つ。
春は変化をもたらす季節だ。
彼に、Jリーグ2部チームからオファーがかかった。
わたしの家から40分くらいの場所に本拠地を置く、いわば地元のチームだった。
社会人リーグでの彼のひたむきさ、サッカーへの情熱、諦めないハート、その全てがオファーのきっかけだったらしい。
彼の全てがプロのチームスカウトに認められた。
彼は、とても嬉しかっただろう…。
オファーを受けた彼は迷うことなく2年間在籍したチームを離れる決意をした。
円満に移籍したという。
2部リーグとは言え、彼は間違いなくプロになった。
彼の夢が、ようやく叶った。