青い残光【完】
彼が九州へと旅立った夜、わたしはきらりさんへメールをした。
彼のことを、何でも良いから知りたかった。
全てえりかさんからの情報だとは分かっているけれど、きらりさんは教えてくれた。
彼は一人で九州へと引っ越すことを決めたこと。
九州はローカルルールが結構多いと聞き、彼が不安がっていたこと。
しかし、「チャンスをもらえるのは最初だけで良い。自力で必ず這い上がって、チームに戻ってくる」、と言っていたこと。
それを聞いて、彼らしいと思った。
表立っては見えないけれど…心の中にいつも高い志を持って情熱を秘めて、本当は誰よりも熱く燃えている彼。
とても、愛おしく思った。
彼の成功を、心から祈った。
だけれど、そんな上手くことは運ばない。
彼の苦しみは、九州でも続いた。