青い残光【完】
とある先生の机のすぐ側まで迷わずに進んだ。
「須賀先生。」
「おぅ!どした?」
わたしが職員室で訪ねたのは、サッカー部の顧問、須賀先生。
須賀先生は、この西高サッカー部を名門へと押し上げたとして有名な人だった。
自身も、プロのサッカー選手を目指して大学に通っていたけれど…大きなケガをして、プロを断念したとか……。
須賀先生はとても若くて、爽やかで体育会系な人らしい。
今日が初対面だけど、年もそんなに離れていなさそうに見える。
黒髪の短髪で、笑顔が爽やか。
数学の先生だけどジャージを着ているから、これから部活に顔を出しに行くところなんだろう。
わたしが話しかけると、ニカッと笑いかける。
なんだか、優しそう。
須賀先生は、わたしの顔をまじまじと見て、あごに手をあてて考え込む姿勢をとった。
「どうかしたか?……んー、見たことないコだな。一年か?」
「あっ…ハイ。一年です。あの…!先生、」
「うん?」
先生はニコニコしたまま、あたしが話し出すのを待っていた。