セカイで一番キミが好き!
高橋は勇気を振り絞り真島に話かけようとしたが、
「HR始めるわよ!皆席につきなさい!」
という先生の非情な一言で、それはままならなかった。
「はじめまして。今日からあなたたちの担任になる、山本です。山本先生と呼んで下さい。
今は勝手に座ってもらってるけど、先生まだあなたたちの名前を覚えていないから、五十音順に並んでもらうわね。まず、相川さんが〜…」
八神は顔のニヤつきを抑えることなく高橋の方を見た。絶望している。「た」かはしと「ま」しまは五十音的には結構離れている。確実に隣の席にはなれないだろう。仲良いもの同士で座っていた女子も不服そうだ。
「高橋君!どこかしら?ここに座って!」
山本がさした席の隣に座っていたのは
……ゴリ松だ!!!
同中、同小の女子、ゴリ松。本名は忘れたが、その顔は一度みたら忘れられない。 ゴリラだからだ。
周りから少し笑いが起こる。同中の奴らだ。ゴリ松の隣に座る、それはある意味でガキ使以上の罰ゲームだ。
高橋はいやいやゴリ松の隣に座る。
「あれー、同中の高橋くん⁉︎やだ、久しぶりィー♪」
「おお、久しぶり…」
「え、まさかその反応…私のこと忘れた⁉︎反松だよ!別名ゴリ松!」
「あ、だ、大丈夫…忘れてないよ…」
「だよね!このゴリ松優子様のこと忘れるなんて、ありえないもん!きゃははは!」
ゴリ松は容姿と真逆な高い女子力と明るく可愛い性格から女子には人気らしい。
…女子の好みがよくわからないが。
高橋はふと真島を目で探す。何処に座ったんだろうか。
真島は、やはり高橋から遠い席に座っていた。隣には…八神。
八神は高橋の視線に気づくと、ニヤつきながらゴメン、とポーズをとった。
高橋はそっと、携帯で「親友 殺し方」
と検索した。