少女は会長様♡
「寺本さん?」

声のした方を見ると、教室のドアのところに入学式の日にぶつかった女子がいた。


(たしか、成田りあだったっけ。普通化の1軍だったはず)



「うん。わたしが寺本朱鳥。なにか用?」


頷き、問いかける。



「用ってわけではないけど。入学式でのこと、ごめんなさい。ちゃんと謝ってなかったから」


ちょっとびっくりした。


1軍だと言うからもっとキツイ性格かと思っていた。

(案外、いい子なのかも)



「いいえ。私の方こそごめんなさい」


朱鳥がニコリと微笑むと、りあも少し笑いじゃあねっと言って帰って行った。



「案外、いい子なのかも」


さっき胸中で呟いたことを音にする。



『そうだな』と窓で様子を見ていた雑鬼がそれぞれ頷いた。
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