少女は会長様♡
「緋炎。どうしたの?」

「いや、特に用はない」


そう。と返しながら朱鳥はそっと笑う。


緋炎は分かっていたのだ。

朱鳥が1人で帰ることに寂しさを感じていたことに。


だからいつもは隠姿しているのに、わざわざ顕現してくれたのだ。


「ありがとう。緋炎」

「なんのことだ」


その優しさを奢らないところも緋炎の美徳だ。
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