少女は会長様♡
〜放課後〜

「総真、行くぞ」

「おうよー。んじゃ、あとは頼んだぞ」


輝夜に返した後、生徒会員の皆に声をかける総真。

(なかなか様になってきたみたい)

会長職にも慣れたのか、生徒会長らしくなってきた。


「お待たせ。行くか、総会」


朱鳥達は生徒会室を後にして校門へ向かった。


しかし、朱鳥達4人が集まるとどうしても目立つ。


余談だが、4人にはそれぞれファンクラブがある。

もちろん本人達はその事を知らない。


「寺本さん。ちょっといい?」


後ろから声がした。

振り返ると、そこにいたのはりあだった。


「うん?みんな先、行ってて。すぐ行くから」


叶美が何か言う前に輝夜が了承した。

「わかった。校門の外で待ってる」


輝夜達が行ってからりあは口を開いた。


「寺本さんのアドレス教えて欲しくて、待ってたの」


朱鳥は一瞬きょとんとした。

りあとはぶつかっただけで仲が良いわけではない。

「…ごめんなさい。今メモリーがいっぱいなの」

「あ、ならいいや。空いたら教えてね」


すこし残念そうにしたりあはそう言った。

りあは顔を少し伏せながな走り去った。



(ちょっと悪かったかしら?)

なぜアドレスを知りたかったのかは謎だ。

だが、去って行く時の表情が、何と無く気になった。




メモリーがいっぱいと言うのは嘘だ。


朱鳥はクラーンの会長だ。

クラーンの掟にもあるように、一般人にその事を知られてはいけない。

だから極力、一般人にはアドレスを教えないようにしている。


だから今回も断ったが、ちょっと罪悪感がある。

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