少女は会長様♡
小さくため息をつき、校門へ急ぐ。

朱鳥の表情が沈んでいるのは気のせいではないだろう。


別に会員が嫌なわけではない。

誇りも持っているし、やり甲斐も感じている。

しかし、たまに思うのだ。


『もし会員じゃなかったら』と。

もし会員じゃなかったら、なにも考えずアドレスを交換できるだろう。

放課後に友達と遊びに行けるだろう。


そんな当たり前をしてみたいと思うのだ。


だって朱鳥にとっては、それは当たり前ではないのだから。



会員だと、アドレスを交換できない。

会員だと、放課後に遊べない。



だから、周りの子達が羨ましいと思う。

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