サッカー部の君と私。

* あの日 *



私が高校1年の入学式の次の日。

私には幼馴染の麻衣(まい)がいる。

ちょうどその日

麻衣は学校を休んでしまった。

なので、1人で学校から

帰っている途中だった。

ぽつぽつ、と降る雨。

春とはいえまだ寒い。

その寒さを雨が際立てた。

見慣れない通学路を

自転車で走る。

私な家に帰る途中に

公園がある。

その公園を通り過ぎる時だった。

ふと、目を公園へ向ける。

すると私と同じ学校の制服を

着ている男の人が

雨の中しゃがんでいた。

よく見ると、その男の人の

足元には捨てられてしまった

子猫が1匹だけいた。

その子猫に雨が当たらないように

自分の傘を子猫の上に立て

汗拭きタオルを子猫に

かけていた。

そう、その男の人は

坂口先輩だった。


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