スキというコトバ
なぜ泣いてしまったのだろう。
当たり前のことを当たり前に言われただけなのに。
たぶん、叶わないと、わかりきっていることを言われたからなのかな?
そう思うと涙が止まらない。
「心優?大丈夫?」
「ごめんな。余計なこと言って。」
「うんん。優は何も悪くない。こっちこそごめんね。叶うはずないのにね。現実見ないとっ!」
心の中の気持ちとは裏腹に笑顔で言う。
本当は叶わないなんて認めたくないんだ。
無言のまま、2人に別れを告げる。
ガチャッ…
「心優?帰ってるのー?」
階段の下から声が聞こえる。
「…あ、うん。ただいまー。」
かすれた声を振り絞ってこたえた。
「帰ってきたらただいまぐらいいいなさいよー。」
「ふぁーい。」