スキというコトバ
「これいいんじゃない?」


「おぉ、そうだなっ!」


由紀が俺に似合うネクタイを選んでくれた。


ネイビーにカラフルな水玉がのったお洒落なネクタイ。


明日は早速着けていこう。



「じゃぁ私、トイレにいってくるね?」


適当にそこらへんを見ていると、



「あれ、滝沢先生じゃない?」


聞いたことのある元気な声。


あれは…中川莉奈だな。


その隣の大人っぽい花柄のワンピースを着た子は…


…さ、笹木かっ?


「やっぱり先生だ!こんにちは〜。こんなとこで会うなんて。」


「あ、ああ!そうだな。偶然だなっ!」


焦りと不安で声が上ずる。


俺、生徒には彼女いるって言ってないんだった。


ヤバイ、バレる。


焦る気持ちから冷や汗をかく。



「昌樹〜っ!お待たせっ!」


なんというバッドタイミング。


「え、先生の彼女ですか?」


今日初めて聞く笹木の声は震えていて泣きそうな声だった。



〜昌樹sideend〜

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