スキというコトバ
…
「昌樹〜っ!お待たせっ!」
先生の下の名前を呼ぶ可愛らしい女の人の声。
えっ?
バクバクバクッ
心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
嘘でしょ?
せ、先生に彼女が?
その事実を早く知りたいがために正直に言う。
「え、先生の彼女ですか?」
知りたいという気持ちと、知りたくないという気持ちが入り混じって声が震える。
しばらく間をおいて質問した相手の愛しい声とは違う声が言葉を発する。
「もしかして昌樹の生徒〜?」
有無をいう前にさらに言葉を発する。
「はじめましてっ!私は昌樹の彼女の金原由紀ですっ。昌樹をよろしくね?」
う、嘘でしょっ…?
信じたくない事実を平然と口にする彼女。
この人が、先生のかのじょ?
目の奥が熱くなるのを感じた。
「そ、そうなんだ。こいつは俺の彼女。みんなには内緒なっ?」