スキというコトバ
絶対と可能性
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土曜日。
今日はお父さんが帰ってくる。
早く会いたいなっ♪
ガチャっ
「ただいまーっ。」
穏やかな懐かしい声。
お父さんが帰ってきた!
ドタバタ…
「お父さん、おかえりっ!元気だった?」
お父さんの大きな胸に飛び込む。
大好きなお父さんの胸。
ここ、落ち着くなぁ。
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「心優、学校はどうだ?」
「えとね、莉奈とも同じクラスになったし、充実してるよっ。」
お父さんは安心したような優しい顔で微笑む。
1年という空白の日々を今日、明日で満たそう。
次はいつになるか分からないから。
「心優、ボーイフレンドは出来たか?」
不敵な笑みを浮かべるお父さん。
「で、出来てないよ?ま、好きな人なら出来たけど…」
その言葉にパァッと顔を明るくさせる。
普通娘に聞くか。
まぁ、いいや。
「本当かっ!?誰だ誰だっ。同級生か?」
先生が好きだなんて言えないよう…。
「あら、心優は先生が好きなのよねっ。」
先にお母さんが口にした。