スキというコトバ
2章〜哀言〜
切ない、嫉妬
***
滝のように打ち付ける雨が降る梅雨が始まった。
雨は嫌い。
ジメジメするし。
心が泣いているようで悲しくなるから。
…でも雨って、モヤモヤを洗い流してくれる、シャワーのようでもある。
…昼休み
先生のクラス、3年1組の前を通りかかった。
あ〜先生が見れるっ♪
いるかな〜、いるかな〜、いたっ!!
そこには整った笑みを浮かべた先生。
見るだけで顔がにやける。
私の目線の先、滝沢先生がいる。
でも、それを見て切なくなる。
女子生徒が先生の周りで笑っている。
私が知ることのない風景。
私が見たことのない風景。
先生は何を喋っているのだろう。
そう思っていると、女子生徒と握手をした。
鼻の奥がツーンとなった。
私以外の女の子ともするんだって思った。
いやだ、やだよぉ…
私以外の女の子と握手なんてしないで。
そんな顔見せないで。
でもさ、こんなの私のわがまま。
分かってるよ?分かってる。
叶わないって。
しかも彼女まで見たのに。