ほのか
ある日
眠れない夜にウイスキーをロックで飲んでいた。
ふと気が付くと煙草を切らした。
でも家から一歩も出る気になれなかった。
私は…そう、叶わない、叶うはずもない、でも叶うかも知れない様な、そんな恋をしていた。
何故ならば今でも終わったはずの元彼と住んでいて、勿論恋心は私からの一方通行なのに、まだ元彼と暮らしている。
「彼の気持ちはもう戻ってこないよ、諦めなよ」
友人や知人に現状を話すと必ずそう言われる。
私は…それでも諦めきれないまま、彼をこの家に引き止めている。
23歳。フリーター。
世間一般で何と言われようと、私のこの先の人生は…ウイスキーを飲みだから、そんな事を思った。
往生際が悪い。
たったその一言なのだ。
私の小さなプライド…それだけで、彼との復縁を望んでいるのだ。
もう…彼の気持ちが戻ることがないくらい、本当は心の底から分かっている筈なのに…
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