人形探し
春樹は一度マグカップを学習机の上に置いてから話し始める。


「見ただろ? 絵麻は人間業じゃないことが出来る。いきなり出てきて、いきなりいなくなる。そんなことが出来るなら、俺達自身人形探しに意欲的じゃなかったとしても、自動的に参加させられるんじゃないのか?」


春樹の言ってることは、正論だった。


あんなことが出来る絵麻。私達が反抗したとしても、強制参加させられるのは目に見えてる。

それなら大人しく参加した方が、危害が加わらないんじゃないかと思った。


「とにかく。もし参加させられたら。……全力でやるしかない」

「……うん」


二人とも落ち着いたところで、空気を変えようと



「夜ご飯、ピザ頼もうか! 春樹も食べてきなよ」



明るい声でそう言ったら、二人とも笑って頷いた。
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