人形探し
チーズがたっぷり乗ったピザを食べ終わって、9時近くになった。


「んじゃ、俺帰るわ」

「え? どうせ人形探しするんだし、まだいれば良いじゃん」

「馬鹿。お前らは女子、俺は男子。何されても良いなら、いるけど?」

「は、春樹こそ馬鹿! 早く帰れっ!」


立ち上がった春樹の背中を押して、部屋から出した。


春樹はクスッと笑って


「じゃあ、後で。…になんないことを願ってる」

「…うん」


春樹の悲しい笑顔の横顔が、チラッと見えたような気がした。


その顔に、私も眉間に皺を寄せて顔を歪めた。


私のそんな顔を見たのか、春樹は私の頭をポンポンと撫でる。



そのまま春樹は、部屋を出てった。



顔が、すごく熱い。


全身がボーッとするくらい火照ってる。



心臓の鼓動だって、すごく早い。



「青春、ねえ…」

「ちょっ、夏帆…!」


それから、女子の大好物、恋バナが始まった。
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