人形探し
残酷な言葉が、ところどころ織り交ざってた。


「死って何…? 死刑? 殺されるってこと?」


夏帆は不安げな声をそっと発した。


そんなこと、言ってられない。


0時から始まるのなら、あと2時間しかない。




「…これ、鬼に見つかって殺されたら、生き返れないのかな?」

「れ、玲美? 何言ってるの? こんなの信じてるの!?」


夏帆は私の腕を掴んだ。


何度も何度も、私の腕を掴んで揺らす。



私の腕を掴んだ夏帆の手は、小刻みに震えてた。


信じたくない、怖い。そんな夏帆の気持ちが伝わってきた。



私は夏帆の手をギュッと握った。




「夏帆! これは現実なの! きっとこれからかくれ鬼が始まる! もう現実逃避しないで、覚悟決めなよ! …死にたくないでしょ!?」



大声でそう言い聞かせると、夏帆は静かに大きな両目から大粒の涙を流した。


分かってる、分かってると、呟きながら…――――――
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