ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)




―…










……お腹 空いた。




あの家で暮らすように なってから、

そんな事を考える前に、″彼女″か貴方が ご飯を くれていた事を、思い出す。


こんな風に…

お腹が空いて辛い なんて感覚、もう随分と長い間、感じなかった。






″私″に ご飯を あげる事が なくなったら、

ますます貴方は、何も食べなく なっちゃうかな…。


″彼女″は…、

ちゃんと ご飯を食べられてるんだろうか…。






″彼女″と貴方は、お互いに、自分の事より相手の事を考えて優先させる性格で、

そんな2人と ずっと一緒に居たから、″私″も いつの間にか、

2人と同じ…自分の事じゃ なくて、気付けば2人の事ばかり、考えてる。


″彼女″と貴方の事が、心配で心配で…、


でも だからこそ、

″彼女″を見つけ出して、早く2人を くっつけて あげなくちゃ……。




…そう思って、

冷たい体にムチを打って、歩いた。




″彼女″と貴方は、

2人で居れば、何の問題も無い…、


2人で一生 一緒に生きて行ける人達なんだから……。





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