ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)
―…
″私″が目を覚ました時、
隣に居てくれたのは、貴方だった。
目を開けた″私″に気付いて、最初は
「あんな雪の中1人で出てく なんて、何 考えてるんだ」とか「スゲー心配したんだから」って
散々 怒って、
でも そのうち悲しそうな顔をして、
「お願いだから、蛹まで居なくならないで」「1人に しないで」
って、
何度も そう、言った。
″私″は まだ″彼女″を探したかった けれど、
貴方の その言葉と表情に胸が締め付けられて、また家を出て行く事は、どうしても出来なかった。
でも ずっと…
″彼女″には帰って来て欲しいと、思っていた。
″彼女″は絶対に、貴方を裏切ったり なんか、しない。
…その確信が あったから、
もう2度と家を出て行けない この状況が、もどかしくて もどかしくて、仕方なかった。
雪の中で″彼女″の幻聴を聴いたのが、遠い昔の事のように思える。
神様…
どうか、
″彼女″を在るべき場所に還してあげて ください…。