ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)
03
崩れ落ちた残骸が とても綺麗で。
きっと″彼女″も格子の中から、
これと同じ景色を見ていたのだろう。
真っ白な世界を ひたすら走り続けて、
自分が何処に居るかも分からなくなって、
だんだん、何もかもが どうでも良くなってしまって…。
部屋の中から雪を見ているのは綺麗だけれど、
白銀の中に居ると、気が変に なりそう。
何も無い場所に、たった1人で。
白だけが無限に広がって、
叫んでも、音は吸い込まれて…
自分が本当に存在してるのか さえも、分からなくなる。
″彼女″は こんな景色の中、
大好きな貴方から離れて行ったんだ……。