ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)




―…










貴方は、暑いのも寒いのも嫌いで、

だから4月に なっても雪が降るような、こんな山に囲まれた場所には住みたく なかった筈なのに、


ここが、大好きな″彼女″の生まれた街だったから、

この場所で、″彼女″と一緒に生きて行く事を、決めた。




1人だったら きっと文句たらたら だったと思うのに、

貴方は、″彼女″と一緒だったら どんな場所でも天国に思える みたいで、

雪が降っても、夏が暑くても、いつも楽しそう だった。




それは″彼女″も同じで、

小さい時から山に囲まれた、この街しか知らなくて、

どこかへ行っても すぐ″家に帰りたい″って言うのに、

貴方が生まれ育った、あの海辺の街だけは、どんなに滞在してもホーム シックに ならなくて…、


きっと それは、″場所″じゃなくて、貴方が居たから なんだと、思う。




2人に とって、

一緒に居れば、どんな場所でも其処が天国で、

でも2人 離れ離れに なってしまったら、

どんなに素敵な場所でも、其処は一瞬で地獄に なってしまう。


だから″彼女″も貴方も…

今は想像を絶するような、孤独の中なんだろう…。





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