ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)
―…
前に通り掛かった時、人が居る気配がしてた家の前に、来た。
当然だけれど、
目の前に聳え立つドアは、″私″の力だけでは、とても開きそうに ない。
それに呼び鈴だって、届きそうに ないし……。
一旦ドアを諦めて、少し離れた所にある、窓を覗き込んでみた。
―…よかった。
やっぱり、人が居る…―
遊びに来ているのか、
おばさんが2人、お茶を飲みながら楽しそうに話している姿が、見えた。
でも…。
この窓も、
高くて やっぱり″私″には、届かない。
思いっ切り鳴いても、
窓は閉め切ってるし…、2人は話してるし……。
聴こえる気も、全然しない。
届かないし、聴こえない と なると、
2人に気付いて貰う他の方法なんて……。