ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)
でも、暫く きょろきょろ辺りを見回してみた けれど、
気付いて貰えると したら もう、この窓しか無い…
…そう思って、″私″は覚悟を決めた。
まずは、とりあえず大声で鳴いてみる。
人間には どう聴こえるか分からない けれど、
″私″の『言葉』で、"助けて!" "気付いて!"…って。
何度も何度も そう叫んでいると、
そのうち1人の おばさんが、不思議そうな顔をした。
「何かしら…」
―…もしかして、聴こえた…?―
もう ちょっと大きな声で……。
「……。
あら、見て。
外に猫ちゃんが…」
″彼女″が また助けて くれたのだろうか…、
おばさんが、気付いてくれた。
だから″私″は、
そのまま開けられた窓に向かって、一生懸命 訴える。
「ん?
何だか この猫ちゃん…
私達を何処かに連れて行きたいの…かしら?」