ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)




「今 見て吃驚しちゃったんだ けど…

この写真の女の子の方ね、


…この子、

一昨年の あの雪の酷かった日に、家の雪かきを手伝ってくれた子よ。




…多分、街に買い物に出たんでしょうね…、

大きな荷物を持って、うちの前を通り掛かったの。


その時が初対面だったのに、

私が1人で雪かき してるの見て、心配してくれて…。


ご自分の荷物も あるのに それを置いて、

雪を運ぶの、手伝ってくれたの。


今時こんな良い子 居るんだ って感動して、

『お礼に温かい料理 作るから食べてって』って お勧め したんだけど、ずっと遠慮なさってて…。


だったら せめて、『家に帰ったら温めて食べてね』って、前に作って おいたスープを渡そうと思ったんだ けど、

スープ持って外に出た時には、彼女は もう居なく なってて…。


でも私も どうしても お礼したかったから、

諦め切れなくて、暫く彼女の足跡を追い掛けて みたの。


そしたら…」




おばさんは、困ったように、眉毛を下げた。





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