ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)
「…でも とにかく今は、
この男の子を何とか しなくちゃ…ね」
慌てて気付いたように おばさんが そう言って、
それに、友達の おばさんも はっ と したように、顔を上げた。
「そ、そうよね。
死んでいる ように見えてしまった けど、
意識を失っているだけ かもしれないし…それこそ お医者様に診て貰わなければ、分からないわ。
とにかく電話して、ここに お医者様に来て貰いましょう」
「えーと、電話も あるし…電話帳も あるわ」
電話帳を見つけた おばさんが、
ページを熱心に めくり、やがて電話を掛け始めた。
その間 友達の おばさんは、
貴方の様子を見にキッチンに行って みたり、戻って来て電話を掛けている おばさんの方を心配そうに見たり、
落着きなく部屋の中を行ったり来たり していた。
「それに しても…
よく ご主人様の所へ私達を連れて来てくれたわねぇ~…」
そのうち、行ったり来たり するのを やめた おばさんは、
部屋の中央に居た″私″の所へ来て側へ しゃがみ込むと、頭を撫でながら そう言った。
「すごく、お利口な猫ちゃん だこと」