ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)
「…よかった。
お医者様が見つかったわ。
すぐに来てくれるそうよ!」
何軒か掛けた後、ぺこぺこ と 頭を下げて受話器を置いた おばさんが、
嬉しそうな顔で、友達の おばさんと″私″に そう報告してくれた。
「それは本当に よかった…。
ご主人様…助かると いい、わね」
友達の おばさんは、相変わらず″私″を撫でながら、
優しい笑みを浮かべて、言った。
貴方は、まだ どうなるか分からなかった けれど、
その おばさんの笑顔で、少しだけ、安心した。
それから暫くして お医者さんが到着して…
お医者さんは、
おばさん達の案内で、キッチンに倒れている貴方の近くに膝を付くと
まず首に手を当てて脈を確認して、
それから瞳孔を確認して……、
…一言。
「――――――…」