ラスト・プレゼント(さようなら と、愛してる。)




"彼女は、声が出ない"。






―…………それとも……―




それとも、″彼女″の声が聴こえたのは、

″私″だけ、なの…?




″私″が、人間じゃ なかった…から……?






″私″が ふと その考えに至った時、

おばさんは、まだ声が出なかった という事に対しても整理が付いていない と 言うのに、

更に重すぎる一言を口にした。







『残念だけど…、

あの人達に連れて行かれて、生きて帰って来る事は……』




『…そうね。


いくら彼女が"特例"だと言っても、

まだ この家に戻って来ていない という事は、もう……』






『ねぇ、そう言えば この前 見つかった女性の遺体って……』




『そうだわ、この街だって言ってたわね。


それに―――………』





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