仕事しなさい!
先に進む?

1




「マジ勘弁ですわー、あのオバサン」


トイレから出てきて、給湯室の前を通らないとオフィスに戻れない場合。
そして、その給湯室から、私のことと思われる内線が聞こえてしまった場合。

どうしたらいいのかな。


「安斉さん、何考えてんですかね?須賀さんに手ぇ出そうとするなんて」


あ、やっぱり私の話してる。

この会話をしてるのはおそらく広報課の女の子二人組。
ひとりは須賀くんの同期、もうひとりはその一個下。

やっぱりね。
須賀くんみたいなヤツに絡まれてたら、こんな日が来るのは予想がついた。
女子の陰口。

彼には、彼を好いている何人もの女の子たちがいる。
私はその全員を敵にまわす可能性があるわけだ。

< 106 / 238 >

この作品をシェア

pagetop