仕事しなさい!
「だーれが破るかっての。安くねぇぞ、俺は」


須賀くんは後ろ姿にごちてから、私のいるトイレに向き直った。


「お待たせしました、倫子さん。追っ払いましたよ」


私はばつの悪い顔で、戸の陰から姿を現した。


*****

「やっぱり、須賀くんといるべきじゃない気がする」


その日の夜、私と須賀くんは夕食の約束で、新宿にいた。

高層ビルのレストランフロア。
平日は人が少なくて、のんびり夜景が楽しめると、須賀くんが連れてきてくれたのだ。


「昼間のあいつらのこと?」

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