仕事しなさい!
「倫子さんちにあるものは教えてくださいね」


そう言って、何かを手にとるたび、私にお伺いをたてるので、買い物は割と時間がかかった。
だって、中濃ソースがどのくらい残ってるとか、普段から頭に入ってないもん。


「倫子さんって、料理する人?」


スーパーを出て、私の家まで歩きながらそんなことを聞く須賀くん。


「することはするけど、ひとりだからさ。あんまり凝ったのはしないかな。お総菜買って済ませちゃうこともあるし」


そうだ。
須賀くんとデートするようになる前は、よくあのスーパーでコロッケやチキンソテーなんかを買って帰った。


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