仕事しなさい!

2




6月がやってきていた。

小雨の降る月曜日の午後、私は西村くんと二人、荷物を出しに行っていた。
電器店から初期不良のポットが、送り返されてきたのだ。
不良品解析は甲府の工場に専門部署があるため、通常はそちらに戻されるんだけど、なんの手違いか本社にきてしまった。
その数5個。

たいした数じゃないけど、ひとりで運ぶには骨が折れる。
本社を回る宅配業者もすでに行ってしまった後だ。

少し手も空いたし、二人で近所の宅配便の集配所まで持っていくことにした。


「この型、前も不良が出たんだよね」


雨は傘をささなくていい程度だけど、濡れないように小走りの私たち。

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