仕事しなさい!
3
その日はもう何も手につかず、普段は15時には終わる入力作業が18時を過ぎても終わらない。
西村くんも手伝ってくれ、20時頃にすべての作業が片付いた。
オフィスには誰もいなくなっている。
須賀くんがまた現れるかもしれないと警戒して、西村くんが池袋まで送ってくれた。
「お疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね」
私鉄の改札前で西村くんが言った。
「今日は色々助けてくれてありがとう」
頭を下げた私は、たぶんすごく疲れた顔をしていたのだろう。
西村くんが不意に私の頬に手を当てた。