仕事しなさい!
「クーリングオフの期間を長くしてあげます」


「は?」


須賀くんがもう一歩近付く。
私のミルクティーを持つ右手を彼の左手がつかむ。
強い力。

男の人との接触に慣れていない私は、それだけで縮みあがった。


「お試ししてみてください。俺のことが気に入ったら、正式に付き合いましょ?」


言うなり、ヤツの唇が私の唇に重なった。


私は驚きと焦りと恐怖で、びくっと震えた。
逃げようと顔をよじるけど、すでに顎をつかまれていて逃げられない。
背後は自販機だ。

しかも、唇を割ってあたたかなものが入ってくる。
これって!
これって!舌だよね!

ディープキスってやつだよね!

無理!
私、もう無理!

こっちは、ファーストキスなんですけど!
そんな風にやらしー音たてるキスは違うんですけど!

っていうか、このキスはどこで息すりゃいいの?

このまま、これが続いたら呼吸できなくて死んじゃう!
< 15 / 238 >

この作品をシェア

pagetop