仕事しなさい!
須賀くんは本気だ。
本気で私をレイプしようとしている。

彼の優しい顔は、今は欲に染まって恐ろしい形相に見えた。
私をとろけさせてくれたキスも愛撫も、私を征服する手段になるとただの暴力だった。


涙が溢れた。目尻からこぼれ、こめかみの髪の間に吸い込まれていく。


「今日は、泣いてもやめませんよ」


私を見下ろして、須賀くんが冷淡に言った。

私は首を横に振る。

もう、いい。
もう、疲れた。
自分の都合で、私を振り回して。
自分の気持ちばっかり、押し付けて。

きみは私の気持ちなんか知らないでしょう。

私だって須賀くんが大事だったんだよ。
この2ヶ月で、私に女の価値を思い出させてくれた。
きみに似合う女になりたいと、
思っていたんだよ。

だけど、もうおしまい。
楽しかったごっこ遊びは終わり。

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