仕事しなさい！

「他のメンバーも、何らかの形でおまえに謝りに来る予定だからさ。気分悪いとは思うけど、会ってやってくれ」


「だから、ホントもういいってば」


私はキツく響かないように苦笑いを作って言う。
こういう気の弱さが女としてダメなのかな。
ふと、マイナス思考に陥ったりして……。


「安斉さ、俺、新人の時、おまえのこと好きだったんだけど、気付いてた？」


思わぬ言葉が原くんから聞こえ、私は苦笑いどころじゃなくなった。

は？

だって、原くん、同期の中で一番に結婚したじゃない。
代理店の事務員の女の子と。


私がぶんぶんと首を横に振ると、原くんは
「やっぱりな」
と呟いた。