仕事しなさい!
*****


お昼は弓枝ちゃんが連れ出してくれた。


「災難でしたね、倫子さん」


弓枝ちゃんが奢ると言って連れてきてくれたのは、近所では一番おいしいイタリアン。


「ホント、須賀渡、最低!」


「もういいよ。そんなことより、ランチを楽しもうよ」


せっかくの美味しいランチに彼の名は聞きたくない。
しかし、食後のコーヒーを飲む頃には弓枝ちゃんの怒りが戻ってきた。

どうも、この一週間、怒りを溜めに溜め込んでいたようだ。


「あの最低男ですけどね、完全復活してますよ」


「復活?」


「タラシ復活ってことです!」


「…………」
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