仕事しなさい!
「先週一週間は毎日、どっかの部署の誰かとランチデートにアフターデートにお忙しかったご様子ですよ。まー、見事にとっかえひっかえ」
私は密かにショックを受けた。
私に別れを告げた須賀くんが何のダメージも負っていないことに。
実際の彼の様子を見たわけではないけれど、少なくとも女の子と遊ぶ元気は出てきたわけだ。
あんなに、悲しい顔して別れたのに……。
どんなにショックでも、そんな様子を表情には出せない。
「まあ、元からそういう子だったしね。今更でしょ」
「倫子さんねぇ、甘い態度はダメですよ」
「もう、私には近寄ってこないと思う。関係ないことだよ」
私は深くローストされたコーヒーに口をつける。
喉に石が詰まったように飲み込みづらかった。