仕事しなさい!
存外、のんびりしてしまい、私たちは昼休み終了ぎりぎりで会社に戻った。

玄関フロアに小走りで飛び込む。


そこにエレベーターを待っている須賀渡の姿。


私は心臓が止まりそうになった。
須賀くんは広報課の村田さんと田中さん、そして他にも数人の女子社員と一緒だ。


「うわ、最低。
倫子さん、行こ」


弓枝ちゃんが私の手をひき、素早く階段に向かう。
4階まで徒歩。食後には厳しいけど、一緒のエレベーターに乗るのは絶対嫌だった。

須賀くんは私がいたことに気付いていた。

しかし、私と目が会う前に視線をそらし、女の子たちの会話に戻った。

私も同じように目を合わせなかった。
< 179 / 238 >

この作品をシェア

pagetop